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関節症性乾癬の15.5%は見逃されて(診逃されて)います・・・6ヶ月以上診断治療が遅れると予後不良です。初期の爪所見は診療経験の豊富な医師でないと診断できません。
ひじやひざ、頭皮そしてからだのあちこちに
湿疹に似た赤い皮疹がみられる乾癬。
食生活習慣の欧米化により近年増加しています>>>。
その皮膚症状は多彩で、非常に誤診の多い皮膚疾患でもあります。
当院でよく見かける間違った診断名は
「湿疹」
「アトピー性皮膚炎」
「脂漏性湿疹」
そして
「爪白癬」です!爪だけの乾癬もあります。
軽症の場合や、ほかで治療をすでに受けていて
皮疹が修飾されていますと、私たちも診断がつきにくいこともあります。
「乾癬」は塗り薬だけもらっているケースも非常に多いですが
メタボリック症候群との合併が多く
心血管系の疾患リスクが急速に増加するため
生活指導が重要な疾患です。
また関節症状を見逃すと、20年後には5関節以上の不可逆的な変形を生じるといわれています。
6か月以上診断治療が遅れますと、予後不良な関節炎となります。
その初期症状は爪症状です。
痛みや腫れ、変形が生じる前に治療を開始することが重要です。
こうなってしまいますと
元には戻りにくいです。
お写真は聖路加病院 リウマチ膠原病センター医長 岸本暢将先生、ノバルティスファーマ株式会社さんよりお借りしました。
当院にいらっしゃる乾癬の患者様でも、
そんな話これまでに一度も生活指導を受けたことがない
という方を多く見かけます。
医師の診療が専門の分野に偏ることも問題となっているのですが、
これだけ診断および治療が複雑かつ高度になって参りますと
新しい薬の情報や新しい治療、最近の治療方針の流れなど日進月歩です。
専門的な知識が常にアップデートされていませんと
治療を受ける医師の力量により
患者様の予後に大きく影響するということが生じてまいります。
よって私は、「標榜科目」について
見直すすべきと最近強く感じます。
「皮膚科」と標榜されていても
乾癬の診断、生活指導ができない。
膠原病を診断できない。
アトピー性皮膚炎の子供たちの食生活指導について熟知していない。
爪白癬が診断できない。
などなど
先日も数年診断のついていなかった皮膚筋炎という自己免疫疾患の方を
大学病院へ紹介しました。
内科・皮膚科数件で湿疹、かぶれ、手湿疹
美容皮膚科・皮膚科で赤ら顔の治療・・・
だるいのは疲労・・・
悪性腫瘍に先行することの多い疾患です。
皮膚科の専門医であれば一瞬で確実に即診断できます。
もとにある悪性腫瘍がどうなってしまっているのか・・・とても心配です。
湿疹と診断され、5-6年ステロイドの外用を続けていた
悪性リンパ腫。
みためは慢性湿疹に似ていますが
治療をしたことのある医師であれば診断できます。
などなど。
本題に戻りますが、
そんなわけで関節症状を伴うまたは伴うようになる乾癬、関節症性乾癬の
15.5%は見逃されており治療が遅れてしまう現状があります。
関節症状がでてからでは間にありません。
治療開始のスピードが大切です。
最も多く間違えられているのは
爪白癬です。
これは爪白癬ではありません。
いったん爪白癬と他で診断をされていると
患者さんに爪白癬ではないことを修正するのが大変なのです・・・
もちろん乾癬の方で本当に爪白癬になっていることもありますが。
皮膚疾患には皮膚科の専門医でないとわからない難しい病気がたくさんあります。
そして皮膚科専門医でないと認められていない治療があります。
受診される際には皮膚科の専門機関で治療をお受けください。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬 更新日:2018年6月23日