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「慢性じんましん・・・原因はいまだ不明ですがほとんどが自然治癒します。そして新薬も登場!第47回皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会にて in鹿児島
何か食べて食事が原因でじんましんが出たり、
子供に多い風邪などの感染症に伴って出るもの等では
1ヵ月以上続くことがなく治ることが多いです。
それを急性じんましんといいます。
それに対して、特に誘因がないことが多く、
夕方から夜にかけて出たり、悪化することが多い
慢性じんましんは、
稀に自己免疫性である例がありますが
その原因が判明するのは5%未満といわれ、
多くが原因不明の特発性じんましんです。
よって無駄にアレルギー検査をすることも、最近では控える
ようにとか、検査を要しないとまでいわれるようになりました。
この慢性じんましんの定義は、
今度新しくなるガイドラインでは
「1ヵ月以上経過するもの」→「6週間以上続くじんましん」と変更となるそうです。
島根大学の千貫祐子先生のご講演では
この慢性じんましん。
なぜか働き盛りの女性に多いとのこと。
確かに私の診療の場でもそのように感じます。
そして原因もはっきりしませんがほぼ皆自然治癒します。
数年で治癒する場合が多いですが、
最長でも6年で自然治癒するといわれています。
「いったいいつまで薬のむんだろうな~」と
お思いと思いますが
治る場合がほとんどなので(でもいつまでかかるかはわかりません)
お薬を服用して気長に待ちましょうか。
私も事実2年で、いつの間にか治っていました。
ただし、全身の炎症やアレルギー反応に影響する腸内環境
も原因の一つになりうるとも考えておりますので、
じんましんの改善のために、腸内環境を整える食生活指導や
サプリメントの処方も当院では行っております。
また、この慢性じんましんの方の20~35%の方では
解熱鎮痛剤の服用でじんましんの悪化または誘発されると
いわれています。痛み止めや風邪薬、解熱剤を服用するときは
その可能性について知っておいてくださいね。
そして じんましんの最新治療。
2017年3月に特発性の慢性じんましんの治療薬として、
気管支喘息に続き追加適応承認された抗IgE抗体製剤
「ゾレア?(オマリズマブ)」皮下注射です。
通常用いる抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬で
効果が認められない場合には、
免疫抑制剤を使用することがありますが、
副作用があるため長期使用ができませんでした。
このゾレアは副作用が少なく、
当初はアレルギー性のじんましんにしか
きかないのではといわれていましたが、
それのみならず
特発性をはじめ多くのタイプのじんましんでの有効性が確認されています。
じんましんに関係するIgEという抗体に「抗IgE抗体」のお薬が
結合することで、じんましんを起こすヒスタミンを放出する細胞
であるマスト細胞にIgEが結合することを妨げ、効果を発揮します。
ただし、現在この適応は、既存の抗ヒスタミン薬の増量などの
治療を行っても、日常生活に支障のある膨疹が繰り返して
継続的に認めまれるもののみとされ、そして非常に高価な薬です。
(投与量によりますが自己負担は1ヵ月7000円くらい~6万円くらいかかります)
抗ヒスタミン薬の増量治療は、多剤を追加併用していくよりも
有効なことが多いです。
欧米では通常処方量の4倍まで認められているそうですが
日本では保険適応範囲が限られますので
その範囲内で増量の認められている薬剤にて対応しています。
まだまだ不明な点の多い慢性じんましんですが、
新鮮な情報提供に努めます♡
さて、学会へ行く前に朝、ちょっと寄りました。
世界遺産となっている「仙厳園(せんがんえん)」
島津家の別邸で、
桜島を庭園の背景に取り入れた素敵景色を見ることができます。
そして鹿児島のお友達に教えていただいて、
今、仙厳園よりも話題になっている?(笑)
スターバックスの鹿児島仙厳園店。
仙厳園のすぐお隣にできたこのスタバは、有形文化財「旧芦ヶ野島津家金山鉱業事務所」をリノベーションしたものだそうです。
よく見ると薩摩島津家の「十」という家紋がついていますね♪
内装も素敵★
目覚めのコーヒーを一杯飲んで(眠そうな顔してますね・・・)
午後は学会に行きます(^_-)-☆
大河ドラマ「西郷どん」が始まったら
ここもこみこみになってしまうんでしょうね・・・
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★ 更新日:2017年12月14日