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「ラテックスやパウダーだけが原因でない手術手袋のアレルギー」 第47回皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会にて in鹿児島
金曜日をお休みにさせていただき、鹿児島で開催されました
皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会に参加してまいりました。
今回も皆様にご紹介したい内容がたくさんあります。
まずは、職業アレルギー・接触皮膚炎のセッション。
患者様ではなく
私たち医療従事者の仕事に関連したアレルギー疾患についてです。
以前より手術や処置の際に着用するゴム手袋の
アレルギーがあります。
アトピー性皮膚炎や手湿疹があると
なお感作(アレルギーを獲得)されやすい傾向があります。
また長時間手袋をしている外科系の医師や看護師に多い傾向があります。
症状は、手湿疹のような手の症状からはじまり、
腕などほかの部位にも症状が広がり、
全身性にアレルギー症状が拡大することもあります。
これまでは、ゴム(ラテックス)そのものに対するアレルギーや、
パウダー(コーンスターチなど)に対する
アレルギーが考えられていて
ラテックスフリー、パウダーフリーの医療用手袋などもは
どの施設でも用意されるようになりました。
最近ではこれらのアレルギーのみでなく、
ゴム手袋を製造する際に使用する
添加物(多くは加硫促進剤)でのアレルギーもあることがわかり、
近年むしろそのそれによるアレルギーが増加しています。
加硫促進剤は、ゴム製品の製造過程において
弾性、耐熱性、耐疲労特性を良くするために行われる「加硫」が、
とても時間がかかるため、その短縮や製品の安定のために使用されています。
この加硫促進剤には
チウラム系化合物、ジチオカーバメイト化合物、メルカプト系化合物があります。
医療従事者のうち、ラテックスアレルギーは10%存在するといわれ、
それ以外の化学物質アレルギーは30%程あり、
その化学物質アレルギーの80%は実はこの加硫促進剤が原因のようです。
この加硫促進剤に関連する皮膚炎の60%を占めるのが
ジチオカルバミン酸/カルバメートといわれており
近年はジフェニルグアニジン(DPG)によるものが増加しているとのことです。
ラテックスフリーの手袋の需要に伴い
その代替え素材として使われることの多くなった
ポリイソプレン手袋などにもよく使用されており、
架橋密度を高め、引っ張り強度を高める役割を果たしています。
したがってDPGに対する感作の発生率は、
ラテックスフリー手袋の使用量の増加に関連して
増加している背景もありそうです。
現在これらのアレルギー検査は、
パッチテストにて保険診療で検査ができます。
皮膚科専門医にお問い合わせください。
加硫促進剤のアレルギーがあることが分かった場合には
加硫促進剤フリーの医療用手袋が販売されています。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★ 更新日:2017年12月11日