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魚のアレルギーのいろいろ・・・加熱したら大丈夫な人とダメな人。などなど
お魚を食べると
じんましんなどのアレルギー症状が出る場合に
食べても平気な時と出てしまうときがあったり、
生はダメだけれど、加熱をすれば食べられるとか、
生も加熱も加工品もダメなど
実はとても複雑です。
その原因は、お魚のアレルギーには
人ぞれぞれアレルギー症状が出る原因が
異なるからです。
魚アレルギーの主要原因物質で最も多いのは
「パルブアルブミン」
全世界的には患者の95%がこれによる
アレルギー症状と言われています。
ところが日本では北欧などに比べて
魚の摂取量が多いにもかかわらず
魚アレルギーの患者は少なく、
原因物質は「パルブアルブミン」よりも
「コラーゲン」である場合が多いです。
★この原因物質が、
「パルブアルブミン」なのか「コラーゲン」なのかで
魚を食べる場合に気を付ける点が異なります。
①「パルブアルブミン」が原因の場合は、
耐熱性の物質のため、
加熱しても原因物質の抗原性は変わらないため、
食べられません。
でも水溶性の成分のため、鯉のあらいのように
水にさらせば抗原物質が荒い流されて
比較的食べられます。
生でも加熱調理しても食べられない人は
このタイプが考えられます。
②次に「コラーゲン」が原因物質の場合。
日本人での魚アレルギーはこの原因が多いと
いわれています。
コラーゲンは水に溶けませんので
水にさらしても抗原性はなくなりません。
ただ、コラーゲンは過熱により抗原性が低下
しますので、加熱調理してあると
アレルギー症状が出ない人はこのタイプです。
③そして意外にも多いのは
「アニサキス」が原因の場合です。
過去にアニサキスの寄生した魚を食べたときに
感作(アレルギーを獲得すること)されていて、
またアニサキスのついた魚を食べたときに出るアレルギー症状です。
この場合、加熱してもアニサキスの抗原の
アレルギー性は低下しないため
生でも加熱調理しても
その魚にアニサキスが入っていると
アレルギーが出てしまいます。
④そしてこれも多い原因ですが
魚にじんましんなどの原因になる
ヒスタミンの含有量が多くなっている場合です。
これは厳密にはアレルギー反応ではなく
誰にでも起こる可能性があります。
魚肉に含まれるヒスチジンは、
魚のヒスタミン産生菌により、
量が多くなるとアレルギー症状を引き起こす
ヒスタミンに変化されます。
この菌のうち低温細菌のタイプは冷蔵保温でも
発育する菌のため、長く冷蔵保存をしている場合に
ヒスタミンが多くなっている可能性があります。
それを摂食すると、その人それぞれ、また体調にも
より、ヒスタミンに反応しやすい状態であると
じんましんなどのアレルギー症状が起きます。
アレルギー検査をしても陽性にならない場合には
このタイプが多いです。
また日によって食べて大丈夫な時と、
アレルギーが出る場合とがあるのはこの原因に多いです。
このようにお魚のアレルギーは複雑です。
どのようなときにどのような調理方法で食べると
出るのかというエピソードが重要ですので、
医師に詳細にお伝えくださいね。
*原田 晋 他:魚類アレルギーの3例
ー原因抗原解析に関する検討とともに,
J Environ Dermatol Cutan Allergol,4(1):
41-46,2010
*中島陽一、近藤康人 藤田保健衛生大学:
甲殻・軟体・魚類 食物アレルギー総論,
小児科診療、9号 1227-1231,2015
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング 更新日:2017年2月27日