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「乾癬」に有用な分子標的治療(生物学的製剤)での乾癬の誘発、悪化例 意外に多く 0.1~1.6%
以前に薬剤性の乾癬、乾癬の悪化について書きました>>>
そのなかでも近年 乾癬治療の特効薬として
使用することが多くなった分子標的治療(生物学的製剤)
にて誘発される乾癬がまれにあることについて
述べました。
この治療を受ける方が増えてきた背景により、
もう少し多い頻度で、逆に乾癬が薬剤性に悪化したり
誘発されたりすることがあることがわかってきたようです。
*横浜市立大大学院環境免疫病態皮膚科学講師
山口 由衣先生
「乾癬治療薬で薬剤性乾癬が誘発」
Medical Tribune vol.49 no.40
乾癬でも有効な治療薬であるTNF-α阻害薬により
薬剤性乾癬が誘発されるというparadoxical reaction
の報告が増加しつつあります。
(要するには乾癬の治療薬でありながら乾癬を悪化させてしまう)
これまでには下図(上記文献より引用)のような原因薬剤
があげられていますが
中でもこのTNF-α阻害剤を含む分子標的薬によるものが
増加しているそうです。
これによる乾癬皮疹は、通常の乾癬の症状とは異なり、
苔癬型反応と呼ばれる細胞浸潤反応の著しい皮疹
であったり、山口先生によると、
そのほか掌蹠の膿疱性皮疹や頭部の病変が多いと指摘されています。
頭部の皮疹では脱毛を伴うこともあるそうです。
以前にかきましたように
ほかの薬剤による薬剤性の乾癬においても
掌蹠膿疱症様の症状が特徴的という点では
TNF-α阻害剤においても似ています。
TNF-α阻害剤にも種類がありますが、海外の報告によると
その種類による発症率に差はないそうです。
乾癬の治療におけるTNF-α阻害剤の使用でなく、
他の疾患で使用の際には、
重症でなく患者さんが許容できる程度の
皮疹であれば、外用治療で対応し、分子標的治療を継続
することもあるようです。
生物学的製剤の使用で乾癬が悪化していると感じるときは
主治医にお知らせください。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬 更新日:2016年10月28日