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EPAやDHAなどのオメガ3系脂肪酸が皮膚アレルギー疾患に有効である機序について京大が発表しました
以前に、炎症性、アレルギー性疾患の治療のサポート
として、魚油に含まれるEPAやDHAが抗炎症作用があり
有効であることについてお話しいたしました。
当院でも皮膚疾患における慢性炎症性疾患、アレルギー
疾患であるアトピー性皮膚炎や乾癬、花粉症の方などに
使用しています>>>
化学的に製造された「薬」を用いた治療ではなく、
食品由来の「サプリメント」=機能性食品を用いた
栄養療法は、日本ではまだまだ認知度が高くありません。
それでも当院へは連日各地から、多くの方が栄養療法を
併用したいというご希望で受診されます。
ありきたりな抗アレルギー剤とステロイドの外用治療のみ
での、症状を抑え込むだけの保険診療でなく、
体の中から整えて、症状を改善させる栄養療法のご希望は
年々増えています。
栄養療法は、疾患の治療に有効であるばかりではなく、
皮膚の慢性炎症性疾患は、長期間「炎症」を持っている
ことによる、皮膚だけでない、将来関係してくるさまざまな
疾患リスクに対しての予防ケアにもなります。
「炎症」は老化の原因、そして病気の原因となります。
皮膚症状をコントロールするだけでなく、
慢性炎症性疾患の持病による将来生じうる病気の予防の
管理までをして、はじめてその病気を「診ている」
ということになると私は思っています。
日本においてもこの予防医療がもっと浸透して
常識となるとよろしいですね・・・。
欧米では栄養療法を試みられることが多く、また有効性に
関する報告も多いのですが、日本ではこれまでなかなか進んでいませんでした。
ですがこのところようやく国内でも薬以外の
サプリメント(機能性食品成分)による効能についての
報告が増えてまいりました。
今回は、京都大学大学院医学研究科の研究グループが、
魚油に含まれるEPA(エイコサペンテン酸)、
DHA(ドコサヘキサエン酸)など、
ω(オメガ)3系脂肪酸による皮膚アレルギー反応を抑制
する機序を報告しました。
詳しくは京都大学のHPをご参考になさってください>>>
EPAやDHAが炎症を抑える効果があることは
今や周知のことですが、
皮膚のアレルギー疾患改善における詳細な機序については
わかっておりませんでした。
EPA、DHAなどのオメガ3系脂肪酸に由来する脂質代謝物
がアレルギー反応に重要な働きを担う樹状細胞の機能を
抑制することがわかりました。
樹状細胞は、皮膚をはじめとして、外界に接する鼻腔、
肺、胃、腸に存在しています。
異物が侵入してきた際に、その信号を免疫作用に関係する
細胞に知らせる働きがあります。
それにより、異物をやっつけようと働くさまざまな
攻撃システムが免疫反応です。
皮膚においてこの反応が過剰であると炎症が長引き、
症状の慢性化につながります。
EPAやDHAなどオメガ3系脂肪酸が、
この皮膚での樹状細胞のランゲルハンス細胞において
過剰になった反応を抑制し、
正常な状態へ向ける作用があることが今回わかったのです。
なかでも「レソルビンE1」によるその作用を確認しています。
アトピー性皮膚炎を治すとか、
乾癬を治すとか
というまでに至らずとも、遷延する過剰な炎症を
適切に整えるのには大変有効であるといえます。
当院では保険診療での
症状を抑え込む治療のみならず、
本来の正常な免疫機能に整える栄養療法をいち早く取り入れております。
ご希望のある方はご相談ください。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎 更新日:2015年10月26日