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かゆみ止めの飲み薬「眠気の強さ」=「効果の強さ」?
「効き目が強い薬は眠くなるから嫌です・・・」
「眠くなりやすいので、弱い薬でいいです。」
などたびたび診療の中で出てくる会話です。
はたして
「眠気の強さ」=「効果の強さ」でしょうか?
以前に、2011.9月28日に開催された「皮膚の健康研究機構」
理事・東京女子医科大学皮膚科学教授川島眞先生、
東京大学皮膚科学教授佐伸一先生より
これについての大規模比較検討試験の結果の発表がありました。
じんましんやアトピー性皮膚炎の治療薬である
抗ヒスタミン薬は、副作用として眠気をきたすことがあります。
近年眠気の少ない抗ヒスタミン剤が登場していますが、
眠気の強い第1世代抗ヒスタミン薬のシェアは、
以前高いままであるといいます。
その理由として、患者そして医師も
「眠気の強さ」=「効果の強さ」と考えていることが
わかったとのことです。
そこで2010年1月~10月に、比較検討試験が実施されました。
アトピー性皮膚炎及び慢性じんましん患者502例を
対象とし、眠くなりにくい非鎮静性抗ヒスタミン薬として
タリオン®(ベポタスチンベシル)、
眠気を伴いやすい薬としてポララミン®(d-クロルメニラミン)
またはザジテン®(ケトチフェン)を使用しています。
鎮静性の抗ヒスタミン薬では、
投与前後に眠気の程度が悪化したのに対して
非鎮静性の抗ヒスタミン薬では、眠気の程度には
変化がありませんでした。
一方、かゆみの抑制効果については、
鎮静性も非鎮静性も同等の抑制効果を示し、
両薬剤間に有意差は認められませんでした。
以上より、
「眠気の強さと効果の強さは相関しない」と
結論づけられました。
それでしたら、眠くなりにくくて、
計算能力が落ちたり、作業効率に影響しない
お薬を選ぶ方がよろしいですね。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎, その他 更新日:2015年8月18日