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アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離
アトピー性皮膚炎の方で、目の周りの症状の
ひどい方は、目を強くたびたびこすることで、
網膜剥離を起こしやすいといわれています。
そのほか、長期間瞼にステロイドを塗ることで
眼圧上昇、緑内障、白内障も起こしやすくなります。
年に数回は眼科で検診を受けましょう。
と申し上げてもなかなか行っていただけない・・・。
症状がないと、病気にならないと行きづらいのが
日本の病院・・・(-.-)。
このアトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離。
うれしいことに、この10年間では患者数は減っている
そうです。
きちんと通院する方も増えて、目の周りの湿疹の管理が
良くなったのでしょうね。
*Sasoh Mikio et al:Incidence of retinal detachment
associated with atopic dermatitis in Japan,
ClinOphthalmol.2015;9:1129-1134
三重大学の調査によると、三重大学病院で
網膜剥離手術を行った症例について、
レトロスペクティブに分析したところ、
1992~2001年のアトピー性皮膚炎合併群は63例、
2002~2011年では38例と顕著に減少していたそうです。
非アトピー群の年間の網膜剥離患者は20年間変わりは
なかったとのことです。
網膜剥離はひどいと手術が必要な場合も
あるので、早目の眼科受診が大切ですね。
網膜剥離を疑う症状について
書いておきます。
網膜剥離の症状(日本眼科医会HPより抜粋)
(1)飛蚊症 視野にフワフワしたゴミか蚊のような
影が見える
明るい背景で読書したり、青空や白い壁などを見たときに、
視野のなかに何か浮遊物の影が移動するように見えます。
これを「飛蚊症」といいます。
はじめて飛蚊症の変化を自覚したときには、それが近視や
加齢による単なる生理的な変化なのか、網膜裂孔などを
合併する病的な変化なのか、眼底検査を受けることが大切です。
(2)光視症 視野の隅に稲妻のような光が走る
これを「光視症」といいます。
眼球運動に付随して、視野の周辺に一瞬あるいは数秒間
光が走るという自覚です。
硝子体と網膜の癒着が強い場所(病的に薄い網膜)があると、
後部硝子体剥離がその部分で生じにくく、
その部位がひっぱられて網膜が刺激されると、
視野のなかに光が走ります。
光視症を自覚する人の一部に、網膜に亀裂(裂孔)が
生じていることがあります。
(3)視野全体がススがかかったように見える
後部硝子体剥離などの際に、網膜血管がひっぱられたり、
網膜裂孔が生じて出血することがあります。
硝子体中に出血が広がると、視野全体が暗くなったり、
飛蚊症の影が増えたり、ススがかかったように見える場合があります。
(4)ものがゆがんで見える・見える範囲が狭い(視野欠損)
メガネをかえても視力が改善しない
網膜剥離が黄斑に近づくと感度のいい網膜が障害され、
それに対応する視野が欠損します。
上の方の網膜が剥離すると視野の下の方が暗くなり、
下の方の網膜が剥離すると視野の上の方が欠損します。
黄斑が剥離すると、ものがゆがんで見えたり、
視力が低下します。網膜裂孔の位置や大きさなどで、
視野欠損や視力低下の程度や進行は異なります。
アトピー性皮膚炎の方で、
飛蚊症や光視症、視野障害などの自覚症状が現れたら、
網膜剥離による可能性がありますので、
早急に眼科を受診してください。
網膜剥離と診断された場合、剥離期間が長いほど
神経網膜が損傷されますので、緊急に治療が必要です。
網膜剥離のタイプによって安静度や手術までの緊急度は
異なるものの、一般に早急な手術が必要となりますので、
眼科医に相談してください。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎 更新日:2015年8月17日