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腸内フローラを改善させるにはプロバイオティクス(生きた菌)がいいのか、死菌でもいいのか、有効成分抽出物でもいいのか。
プロバイオティクスやそれに準ずるものによる
腸内フローラを改善する試みは、今後多方面で進むと思われます。
当院ではとくに、花粉症、アレルギー性鼻炎、
アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や、自己免疫
疾患、肥満に対する治療アプローチとして使用しています。
現在のアレルギー疾患に対する治療の多くである
抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤だけを飲んでいても、
それは「治療」ではありません。
「対症療法」にすぎません。
プロバイオティクスとは>>>
6月17日に米国のオンライン学術誌「PLOS ONE」に
大変有意義な報告がありました。
京都府立大とコンビ株式会社の共同研究により、
「免疫調整に重要な物質IL-12(インターロイキン12)の
産生にかかわる主要成分を特定」
ということで、乳酸菌由来のRNAがヒトの免疫機能に
深くかかわっていることを報告しました。
腸で免疫機能が整えられていること、
そして腸内細菌叢(腸内フローラ)がその重要な役割を
していることについては
たびたびご説明させていただきました。
*「腸内フローラの異常は、
さまざまな病気の原因となります」>>>
善玉菌といわれるうちの一つ乳酸菌が、
生きた乳酸菌が腸内で働くのはもちろんのこと、
腸壁の免疫器官(パイエル板)に乳酸菌が取り込まれ、
免疫系を活性化し、外部からの異物、アレルゲン
に対して、腸管の防御機能を高めることがしられています。
その乳酸菌による免疫刺激において、乳酸菌の核酸、
その中でも1本鎖RNAが主要な重要成分であることを、
今回解明したそうです。
このように、腸での免疫機能にかかわる成分が
わかってくると、
必ずしも生きた菌を摂取するプロバイオティクス
でなくても、
今後は菌から抽出した有効成分の摂取でも良いという
時代になる可能性もでてきます。
「生きた菌が腸まで届く」とうたっているヨーグルトや
サプリメントでも、
現実的には胃や小腸で消化の影響をうけ、
なかなか届かないと考えられています。
最近では「生きた菌」ではなく「死菌」でも、
まったく同じとはまだ言えませんが、
さまざまな同じような効果がある
という報告も出てまいりました。
ただし、まだ、解明されていない部分も大きいため、
確実なエビデンスと治療実績のある
プロバイオティクス(生きた菌)を、
当院では扱っています。
消化の影響を受けにくく、腸まで届く工夫が
されている製品ではありますが、
それでも腸では死菌となっているものが多い可能性もあります。
ですが上記のことからすると、
すべてが生きたまま腸に届かなくても、
死菌を摂っていることによっても
効果がえられるのであれば、なお、
エビデンスのある、いまのプロバイオティクスでも
いいと、現時点では私は考えました。
今後は
プレバイオティクス:1995年にGibson&Roberfroidが提唱した
決腸内の有用菌の増殖を促進したり、
あるいは、有害菌の増殖を抑制し、その結果、
腸内浄化作用によって、宿主の健康に有利に働く
難消化性食品成分
そして
プロバイオティクス:1965年のLilly&Stillwellから始まり
2001年に現在の、適正な量を摂取したときに
宿主に有益な影響をもたらす生きた微生物
これらに加えて
乳酸菌などから有効成分を抽出した生成エキスや
菌の代謝物、かならずしも生きた菌ではないたとえば
殺菌された乳酸菌飲料などでも
腸免疫機能を整えることが可能なサプリメントの
エビデンスが構築されてくるものと思います。
ですが、腸内細菌は免疫機能だけに
関与しているわけではないので、
現時点では「生きた菌」にこだわりたいのが
私の考えです。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング 更新日:2015年7月17日