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旅行に行くと必ず下痢をする「旅行者下痢症」や便秘する人は腸内フローラに原因があります
そろそろ夏休みのご計画もされているのではないでしょうか ♪
海外旅行に行くと必ず下痢をしてしまうという方
いらっしゃいますか?
これを「旅行者下痢症」といいます。
逆に旅行に行くと便秘になる。
これも同じで、
実は腸内フローラが原因です。
旅行者下痢症の大多数は、細菌やウイルス、寄生虫などの
病原体により発症します。
そのほか食事の変化(食用油の違い、香辛料など)や
飲料水の硬度の違い、時差や旅行のストレスが影響する
場合もあります。
米国CDC(疾病管理予防センター;Centers for Disease
Controland Prevention)によると、
細菌が80~85%と大多数を占めているそうです。
*Connor BA: Travelers’ diarrhea. ed Arguin PA et al,
in CDC health information for international travel 2008,
Elsevier,Philadelphia, 2008; 322-332.)。
その中でも病原性大腸菌が最も多く、コレラ菌と類似の
毒素を分泌するものもあり、水様性の激しい下痢をおこします。
発熱がみられ寝込んでしまうこともあります。
この旅行者下痢症。
平気な人はまったく平気ですよね。
この差は腸内フローラの差によります。
良い腸内フローラをもっていると、病原菌からのバリア
機能が高く、感染しにくいです。
このことから、プロバイオティクスによる旅行者下痢症の
予防効果が認められています。
* Oksanen PJ, Salminen S, Saxelin M, Hamalainen P,
Ihantola-Vormisto A,Muurasniemi-Isoviita L, Nikkari S,
Oksanen T, Porsti I, Salminen E et al.:Prevention of
traveller’s diarrhoea by Lactobacillus GG. Ann Med
22:53-56,19
このプロバイオティクスは、旅行者下痢症の予防ばかり
でなく、子供たちのノロウイルスの感染予防にも応用
でき、当院では流行期にはおすすめしています。
プロバイオティクスは蠕動運動や粘液産生などを促進し、
腸管透過性を整えます。
またプロバイオティクスの産生する有機酸が
病原菌に対する殺菌効果および免疫力を活性化します。
ただし、無効な例もありますので、過信せず、手洗い、
食事など衛生面には気を付けてください。
旅行に行くと便秘になる人も、ストレスや環境の変化で
影響を受けやすい腸内フローラの持ち主です。
腸内フローラによる蠕動運動が低下し、便秘になりやすい
ので、プロバイオティクスを投与しておくと予防できる
ことがあります。
米国では、旅行者下痢症の予防としての
抗生剤の投与を禁じています。
そして
旅行者下痢症に対する旅行中の抗生剤の使用は、
抗生物質が効果を示さなくなる薬剤耐性菌を
保菌するリスクが高くなるので注意が必要との
報告もあります。
*Anu Kantele et al:antimicrobials Increase
Traveler1s Risk of Colonization by Extended-Spectrum
Betalactamase-Producing Enterobacteriaceae.
Clinical infectious disease:an official publication of the
Infectious Diseases Society of America.2015 Jan 21
国外旅行前後のフィンランド人430人を調査したところ、
熱帯・亜熱帯地域に旅行した人のうち、約5人に1人が、
抗生物質に耐性のある腸内細菌を保菌して帰国していた
とのことです。それらの人には、旅行者下痢症の既往と
旅行中に抗生物質を使用しています。
旅行者下痢症になりやすい方は、
あらかじめ腸内フローラを整え、かつプロバイオティクス
で予防したいものですね。
当院プロバイオティクスについて>>>
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング 更新日:2015年6月16日