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分厚くなった角質増殖型の爪水虫に対しての新しい治療アプローチ ~安全で効果的な治療オプションの可能性~
爪白癬(爪水虫)の治療は、これまで飲み薬が
主流でしたが、肝機能障害などの副作用の問題が
ありました。
近年は体に負担のないレーザー治療や新しく
処方開始になったクレナフィン®爪外用液の登場に
より、大きく治療方針が変わりました。
これらの局所治療は、有効性は高いですが、
爪があまりにも肥厚していると、薬の浸透がしにくく、
レーザー治療においても治るまでに時間を要します。
その問題を解決できる新たな治療アプローチについての
発表がありました。
*Elena Campione et al:Tazarotene as alternative
topical treatment for onychomycosis,Drug Design,
Development and Therapy 2015:9 879-886
tazarotene(タザロテン)は海外では、ニキビや乾癬の
治療薬として、使用されている塗り薬です。
この塗り薬を、分厚くなった爪真菌症の爪に1日1回塗布
することで、15例中の6例(40%)がたった4週後には
治り、12週後には全例で臨床的治癒(見た目において
治った)および菌の検査でも治癒と確認できたとのこと
です。
6か月後の追跡調査でも、大部分の患者さんで再発は
なかったとのことです。
これはすごいことです。
クレナフィン®外用液のみでは、ここまで短期間の治癒は
通常困難です。
このタザロテンは、ビタミンA(レチノイド)が主成分
で、日本においても類似したものとしてニキビ治療薬の
アダパレン(ディフェリンゲル®)があります。
タザロテンはディフェリンゲルと比べて作用が強く、
日本での使用は承認されていません。
海外ではニキビや乾癬の治療に使用されています。
爪真菌症(爪水虫など)で多いタイプは、先端の方が
厚くなり、爪の下にカスのようなものが貯まる
遠位側縁爪甲下爪真菌症です。
タザロテンは、乾癬でのこれと似たような角質増殖を伴った爪(分厚くなった爪)への有効性はすでに確立されています。
これを今回、爪真菌症によって同じような状態になった爪
に応用した結果の報告です。
ビタミンAが角質増殖を抑え、肥厚した爪を改善している
のみならず、静菌作用も確認されています。
もっと多くの症例での、さらなる調査が必要な段階では
ありますが、今後大きな展開をむかえそうです。
日本では承認されていないお薬ですので、保険診療で使用
できないのはもちろんのこと、輸入しなければなりません。
代用薬などで、効果を確認したいと考えています。
モニターさんを募集させていただきます。
詳細はクリニックまでお問い合わせください。
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, その他 更新日:2015年4月2日