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汗管腫にアダパレン(にきび治療薬 ディフェリンゲル)が有効である可能性について
目の周りや額、デコルテ、陰部など
ブツブツができるる汗管腫は、
医療技術が進歩した現代においてもなお、
消しゴムで消したようには
綺麗に治ることの難しい難治性の皮疹です。
アジア人に多く、遺伝性です。
私も幼少時より目の下にあり、当時は
どこの皮膚科にいっても治療法はないと
言われました。自分なりに調べたところ
レーザーで治療をすると多少改善するという
ことがわかり、近所の皮膚科で聞いてみましたが
保険診療ではないためか、治療をしている施設の
紹介ですらされず「治らない」の一言にひどく
心が傷つきました・・・。
さて本題です!
そのにっくき汗管腫!!
アダパレンというにきび治療薬を塗ると
皮疹が平坦化し、有用であるという報告が
以前にありました。
*矢作榮一郎ほか:汗管腫―アダパレン外用療法
による臨床効果―.西日皮 74巻6号・2012
アダパレン(ディフェリンゲル)は
レチノイド様作用を示し、
毛穴の角化を抑えてにきびをできにくくする
お薬です。
それ以外にも美容医療においては毛穴治療、
小じわの治療、キメを整えるためなどに
使われる成分です。
私自身、美肌目的に通年使用している成分です。
年齢とともに増える汗管腫ですが
たしかに範囲は広がりませんし、
以前よりも増えていく印象はありません。
当院では全国から汗管腫の治療に患者さまが
たくさん訪れます。これまで無治療の汗管腫の方に、
アダパレンよりも作用の強いレチノイン酸
(トレチノイン酸)を試していただきました。
なんとなくつるつるして少しはいいかもしれない
という感想です。私がみた印象としては、
決して消えるほどの効果はありませんが、
汗管腫特有の細いしわを伴うのですが
その改善と色調も明るくなるため
若干良くなったようにみえます。
ですが結局は最終的にはどの方もレーザー治療を
おうけになりました。
先ほどの報告では、アダパレン使用前後の
臨床写真において盛り上がりが減り、
若干改善しておりますし、
その部分の皮膚を切り取って、実際にどのくらい
減っているかをみていますが、確実に数の減少と
一つ一つが縮小しています!!
しかしその効果の作用機序はまだ不明とのことです。
基本的に汗の腺からできたちっちゃなできもの
(腫瘍)なので完全に消えるというのは
機序が良くわかりません・・・。
目の下等は、皮膚にハリがでて
多少目立たなく見える可能性があるのかもしれませんが・・・
カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 汗管腫・エクリン汗のう腫 更新日:2014年8月28日